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塾講師・予備校師について詳しく解説‐シゴトニンラボ

今回の記事は塾・予備校講師についてです。塾と予備校は似て非なる施設ですが、今回はひとつの記事にまとめます。

塾、予備校の違いも踏まえてこのシゴトについて解説していきます。

塾と予備校の違い

一言で表すと両者の違いは「対象」と「目的」です。塾は小中高校生を対象に、受験対策や学校の成績の向上、苦手科目の克服などを主な目的としています。一方で予備校は高校生・高卒生を対象に、大学受験突破を目的とした授業が行われます。

生徒に勉強を教える場所であることは共通しています。予備校は高校生以上を対象とした大学受験専門の塾と言い換えることができます。

仕事内容

塾・予備校講師の仕事内容は学習指導の一点に尽きます。授業は授業形式や講義形式、1対1の指導形式など、様々なスタイルがあります。授業形式は講師が生徒に質問したり回答を求める双方向的なもので、講義は講師が話をし続ける一方向的なものです。塾は様々なスタイルの授業を採用しますが、予備校は講義形式がほとんどです。講義形式は大勢の生徒に対して同じペースで授業を進めることができるメリットがありますが、一方で内容を理解できてない生徒を置いてけぼりにしてしまうデメリットがあります。基本的に塾は生徒一人ひとりをよく見て全員の成績向上を目指しますが、予備校には来るもの拒まず去る者追わずというような精神があります。

講師は出勤した日はほとんど必ず授業を行いますが、常に授業をしているわけではありません。塾も予備校も学校のような時間割があり、自分の授業がない「空きコマ」は休憩したり、その他の作業をしています。例えば授業の準備としてプリントの作成・印刷をしたり、小テストの丸付けや宿題のチェック、電話対応などすることは多いです。

予備校には「チューター」と呼ばれる大学生のアルバイトが常に何人かいて、生徒の質問に答えたり、雑用、掃除、採点などの業務をしています。その分、仕事内容の幅は予備校講師よりも塾講師のほうがあります。

【なり方】

講師になるのに特別な資格は必要ありません。ただシゴトの性質上、ある程度の学歴は求められます。四年制大学を卒業することはほぼ必須の上で、より高学歴が求められます。国公立大学や早稲田慶応などの難関大学を目指すための予備校では、東大京大卒が条件になるところもあります。

塾・予備校講師になるには、各塾・予備校の採用試験に合格する必要があります。採用試験はその他の多くの業界と同じく、毎年春に行われます。書類審査の後に筆記試験や面接、模擬授業を行う予備校もあります。筆記試験の内容は塾や予備校によって異なりますが、教える立場になるためのものなので、大学卒業レベルの難しいものになっています。

比較的即戦力が求められるシゴトのため、塾講師のバイト経験、特に集団の授業を担当していると有利になる場合があります。

【雇用形態と所属先】

塾・予備校講師には、正社員、契約社員、アルバイトが主な雇用形態です。やはり正社員は収入面が安定しており、長く働く気があるなら最もお勧めです。契約社員やアルバイトも正社員同様授業をこなし、その他の業務も行いますが収入面は不安定です。しかし働く時間や日数に多少の自由があるため、正社員と比べると圧倒的に時間を作りやすいです。

所属先は当然塾・予備校になります。正社員ですと異動があったり、長年勤務すると本社に配属になるということもありますが、基本的にはひとつの支店で長く働くことになります。

【年収】

少し古いデータですが、平成27年に行われた賃金構造基本統計調査によると、正社員の予備校講師・塾講師の平均年収は、 357.4万円です。内訳は平均月収26.7万円、ボーナス37.0万円。となっています。

民間企業の平均年収436万円と比べると低い水準になっています。しかし、あくまで平均です。上場企業の展開する塾講師や個人事業主として活動する講師は平均の倍以上の額を稼いでいることも珍しくありません。塾講師は能力や努力次第で高収入を目指せるシゴトです。

【男女比】

正社員の講師自体の男女比は7:3ほどで、男性のほうが多いです。特に予備校講師は男性が多く、9割近くが男性です。職場全体で見ると、アルバイトや受付スタッフなども合わせると女性も比較的多くいます。

仕事内容から考えると、男性も女性も活躍しやすいシゴトです。

【勤務時間・休日】

講師たちは自分の担当する授業に合わせて出勤したり休みを取ります。例えば平日毎日授業を持っている講師は土日に休みを取ることになります。土日に授業がある講師は平日の授業のない日が休みになります。

勤務時間はお昼頃に出社し、夜は22時頃に退社というのが多いパターンです。中高生は学校が終わる時間も遅いので、必然的に授業は夕方以降、夜になります。

講師の1日のスケジュールを見てみましょう。

【1日のスケジュール】

12:30 出社

13:00 授業準備、電話対応など

18:00 授業開始

19:20 授業終了

19:30 授業開始

20:50 授業終了

21:00 生徒の相談や事務作業など

22:00 退社

 

塾講師の出社は夏期講習など長期休暇を除くと基本的には午後になります。授業が始まるまでは授業の準備や電話の対応、事務作業や塾内の掃除を行うこともあります。授業が終わると、生徒からの質問や受験の相談に答えたり、事務作業をこなして退社します。

 

【やりがい・魅力】

学校のテストや受験は結果が非常にわかりやすいものです。テストだったら点数が出るし、受験は合格と不合格歯科ありません。だからこそ結果が出るのもわかりやすく、結果が出るたびに嬉しくなります。特に1年間教えてきた生徒が志望校に合格したという報告を受けた時は喜びもひとしおです。

また、生徒がわからなかった問題を理解する瞬間に立ち会ったときにもやりがいを感じます。生徒の成長を横で見届けることができるのが魅力だと思います。

【大変なこと・つらいこと】

上記とは反対に、1年間教え続けてきた生徒が希望の進路に進めなかったところを見ることは非常につらく、自身の力不足を嘆くことがあります。つらい経験を糧にしてわかりやすい授業にするための努力や生徒とのコミュニケーションをうまく取るための努力をしていきます。

夏期講習や受験期は非常に忙しく、心身共に疲弊します。収入が決して高くはないためモチベーションが続かないこともあるかもしれません。

 

【参考にしたサイト】

・キャリアガーデン 

https://careergarden.jp/

・スタディサプリ進路

https://shingakunet.com/

・塾シル!

https://jukushiru.com/

・ジョブ―ル

https://joboole.jp/