今回のシゴトは家政婦です。家政婦と聞いて、『家政婦のミタ』を連想する方も多いのではないでしょうか。家族のつながりがミタさんを通して再生する、見ごたえのあるドラマでしたね。
実際の家政婦のシゴトは、頼まれたらなんでもやってしまうミタさんと違ってある程度決まっています。そのシゴトの内容を追っていきましょう。
家政婦とは
最新の広辞苑には「家事担当、または家事の手伝いのために雇われる女性。家事援助者」と記されています。
皆さんのイメージ通り、家政婦は家庭の家事をする(手伝う)シゴトで間違いありません。具体的にはどのような業務を行うのか、以下で確認していきましょう。
仕事内容
家政婦のシゴトは「家事」に尽きます。例を挙げると、
・部屋の片づけ・掃除機がけ・クイックルワイパーがけ
・食器洗い・片づけ
・水回りの清掃(キッチン・トイレ・お風呂・洗面所)
・窓ふき・バルコニー清掃・庭の掃除
・植物の水やり
・クリーニングの受け渡し
・洗濯・アイロンがけ・たたみもの・収納
・靴磨き
・ゴミの分別・ゴミ出し
・日用品・食料品の買い物
・料理の作り置き
・郵便物の受け取り
などです。そのほかに、幼いお子さんの保育園の送り迎えや勉強の面倒を見ることもあります。掃除用具や料理に使う道具、材料などは全てその家にあるものを使います。
近年は高齢化の影響で、老人の家事の手伝いや軽めの介護をすることが増えています。またベビーシッターとして依頼を受けるなど、時代が進むとともにその仕事内容は変化しつつあります。
なり方
家政婦になるには、民間の家政婦紹介所や家事代行サービスセンターに登録する必要があります。自分に合った案件をそのような事務所に斡旋してもらい、現場に出向きます。
家政婦事務所への登録は誰でもインターネットや電話からすることが可能です。デジタルの文書または紙の資料に個人情報を記入して提出して了承を得ることで登録が完了します。登録後はそれぞれの事務所が行っている研修や指導を受けると、実際に現場に出ることが可能になります。
このように家政婦には特別な学歴や資格は必要無く、誰でも簡単に登録することができます。必要なのは働く意志と家事のスキルのみです。小さなこどもや高齢者に耐性があるとなお良いです。
また家政婦には正社員の働き方はそれほど多くありません。家政婦になるのは新卒の就活生ではなく、ほとんどがパートとして働く主婦(主夫)です。正社員として家政婦になりたい人は、自分でよく調べて、採用を行っている企業に応募しましょう。少ないですが、確実に求人はあります。
家政婦の雇用形態
家政婦の雇用形態は「個人と直接契約する形態」と「家政婦事務所に登録する形態」に分けられます。
前者はある個人と直接契約を結んで、フルタイムでその家専属で働く形態です。住み込みの場合もあります。近年は直接家政婦を雇う家は減っています。
後者は「なり方」の章で詳述した通りの形態です。事務所に登録し、週に数回シゴトをするパート・アルバイトです。家政婦のほとんどはこれにあたります。自分の家の家事の合間に数時間働くことができるので、比較的人気のシゴトです。時給は1000円以上が相場で、アルバイトとしては高い額です。
家政婦の年収
求人ボックス(https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/)によると正社員家政婦の平均年収は350万円です。このデータは求人ボックス上に掲載された求人の給料から算出しています。日本の給与所得者の平均年収である436万円と比較するとやや水準が下がります。
一方アルバイトの給料は時給×時間の時給制のため、働く時間によって大きく収入が異なります。時給は1000円以上で、1200円あたりが平均です。資格を取るなど能力が上がれば時給が上がることもあります。
また専属の家政婦の給料は正社員よりも高い傾向にあります。日給10000〜20000円程で、個人によって差はあります。住み込みの場合は住居の提供もあるため非常に人気ですが、求人が少なく、狭き門となっています。
男女比
少し前のデータになりますが、平成27年の国勢調査1によると家政婦の女性率は96.93%でした。パート・アルバイトの主婦が多いこと、女性のほうが比較的家事・料理が得意なこと、依頼人目線で家に入れるなら男性より女性のほうが安心感があるなど、女性が多い理由は様々です。
資格
家政婦業界で今厚生労働省認定資格の「家政士検定」が話題になっています。
資格に関しては家政士検定に絞ってまとめたいと思います。
家政士検定とは?
家政士検定試験とは、公益社団法人「日本看護家政紹介事業協会」が実施する、家政サービスや家事支援業務に関する卓越した知識、技術を認定する厚生労働大臣認定の公的資格です。2016年に出来た新しい資格です。筆記試験のほか、掃除や炊事の実技試験も行われます。
受験資格
家政士の受験資格は、家政婦(夫)や介護の実務経験が5年以上ある人が対象です。
受験者の多くは、現在家政婦として登録されている方や介護関係の仕事に就いている方ですが、一般の主婦も家事・育児・介護など5年以上の経験があれば受けることができます。
普段から家事に慣れているママたちにピッタリの資格といえますね。
試験内容
試験は筆記試験と実技試験に分かれています。筆記試験は多肢択一式の問題で、内容は以下です。
筆記試験
- 家事サービス実務のうち衣・食・住の各生活サービスに関する詳細な知識
- 介護サービス実務のうち身体介護サービスに関する詳細な知識
- 子育て支援サービス実務のうち日常生活のサービスに関する詳細な知識
- 家政サービス実施に当たっての基本事項
40問出題され、8割以上、つまり32門以上正解で筆記試験合格となります。
実技試験
「作業の段取り」「接遇」「家事サービス」の3題が出題されます。
家事サービスは衣・食・住のいずれかに関する課題です。
実技試験は150点満点で、70点以上取れば合格です。
試験の合否は筆記と実技で分かれています。
両方合格、片方合格でもう片方不合格、両方不合格のパターンがありますが、両方合格してはじめて資格取得となります。
今年家政士検定を受けて筆記試験のみに合格した場合、次の試験時には筆記試験が免除され、実技試験のみ受験可能です。科目免除の場合は受験料が安くなります。
受験手数料
・一般:12,000円
・一般(科目免除):6,000円
・日本看護家政紹介事業協会の特別会員:8,000円
・日本看護家政紹介事業協会の特別会員(科目免除):4,000円
試験日程
毎年11月に開催です。チャンスが1年に1回しかないので、しっかり対策をして望みましょう。
そのほか家政婦に役立つ資格として、
「整理収納アドバイザー」「整理収納清掃」「コーディネーター」「ハウスクリーニングアドバイザー」「クリーニングインストラクター」などがあります。
スケジュール例
07:00 起床、
08:00 家事
10:00 仕事で現場へ
14:00 仕事終了
15:00 買い物しつつ帰宅、休憩
18:00 夕食作り
19:00 夕食
20:00 昼間やり残した家事や掃除
23:00 就寝
上記は専業主婦のアルバイトの場合です。家の家事をしながら合間の時間で数時間シゴトできるのがわかると思います。正社員や住み込みの場合は働く時間が大きく異なります。フルタイムとなり、住み込みの場合は朝から晩まで働き詰めになります。自分にあった働き方を選びましょう。
やりがい・魅力
・忙しい主婦にとって、短時間で働くことができるのは大きな魅力です。飲食などその他多くのアルバイトは週に2回以上の出勤が求められることが多いですが、家政婦は週1回数時間でも、自分の好きなタイミングで働くことができます。
・人に感謝されるシゴトなので、そこにやりがいや魅力を感じている人が多いです。
大変なこと・つらいこと
・職場が他人の家になるので、物の扱いなど細かい所まで気を使わないといけないのが少し疲れるところかもしれません。
・依頼人の要望にしっかり答えなければならないのが大変なところです。
・パートが多く、高い収入は見込めません。
最後に
家政婦についての記事はいかがだったでしょうか。
家政婦は正社員として働きたい人よりも、隙間の時間に少しだけ働きたい主婦向けのシゴトと言えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考にしたサイト
・みちょの家政婦ライフ
・資格の門
・キャリアガーデン