今回の記事では、映像編集者のシゴトについて紹介します。
仕事内容
映像編集者のシゴトは、映像の編集や加工を行い、映像を作品として完成させることです。
映像編集者が扱う媒体は様々で、映画、テレビ番組、ビデオ、動画まで様々な映像物の編集を行います。
映像編集は話の内容やストーリーを構築するためにも重要なシゴトです。例えば映画であればテロップや字幕などを加えて話をわかりやすくしたり、場面ごとに音楽や音響効果を差しはさみます。また、監督の指示のもと映像自体を繋げたり切り離したりするという、映画全体のストーリーを構築するシゴトでもあります。
編集作業にはデジタルデータを使い、機材や編集ソフトを使って編集を行います。1800年代後半以降映像技術は進化し続けており、現在ではCGや3Dアニメーションの編集など、映像編集者のシゴトの分野も広がりを見せています。
ここでは映像編集者の主な2つのシゴトについて見てみましょう。
オフライン編集
オフライン編集は編集作業用の映像を繫いで作品全体を構成するシゴトです。
このシゴトでは監督者の指示をもとに映像素材をつなぎ合わせたり、タイトルを挿入するなどの全体の構成をしていきます。映像の目的やコンセプトに沿って編集し、映像の長さの調整や順番の入れ替えをしていきます。この作業でミスがあると後の修正に手間がかかるため、重要なシゴトとなります。
オンライン編集
オンライン編集は、オフライン編集で出来た映像に調整や肉付けをしていくシゴトです。
このシゴトでは「カラーグレーディング」と呼ばれる映像の色味調整を行ったり、音楽や音声の挿入、調整、モザイクなどの処理を行います。オンライン編集は「本編集」とも呼ばれていて、この作業を経て映像は完成します。
なり方
映像編集者になるために特別な学歴や資格は必要ありません。
ただ、仕事上編集ソフトをある程度使えること、趣味や学業、副業でも映像編集の経験があることは必須といえます。そのため、映像系の学校に入学することが映像編集者になる近道となります。
では、映像編集者になるための主な2つのステップを見てみましょう。
映像系の高等教育機関に進学する
まずは高校卒業後、映像系の大学・短大・専門学校に進学して、映像について専門的に学ぶことになります。
映像編集と一口に言っても、映画、アニメ、テレビ、YouTubeなど様々な媒体があります。自身が関わりたい分野が漠然と決まっている人は、その分野で著名な教授や教員がいる学校に進学すると専門的に学ぶことができるでしょう。
学校ではAdobe PremiereやAfter Effectsなどの映像編集、Adobe IllustratorやPhotoshopなどの画像加工ソフトの使い方から応用についてまで学びます。また、実際に映像作品を制作する課題や、友人同士で映像作品を作る人もいます。このような映像作品を作っていればのちのち就職活動の際にポートフォリオにもなれば、スキルを磨くことにもなります。
映像制作会社に入社する
高等教育機関で映像を学んだ後、もしくは趣味や副業でスキルを磨いた後には、映像制作会社に入社することが一般的です。
映像制作会社には多くの種類があって、主に映像制作を専門としている企業、広告代理店、テレビ局の子会社、映画配給会社の子会社があります。それぞれで制作するものは異なり、テレビ局であればバラエティやドラマ、広告代理店であればCM、映画配給会社であれば映画やドラマなどの編集に携わることになります。単体の映像制作会社は専門分野が分かれていて、アーティストのMV、ライブ映像、CM、テレビ番組などにわかれています。
自身の関わりたい分野を考えて、学生時代からポートフォリオを充実させておくことが大切です。
年収
映像編集者の平均年収に関しては、公的なデータはありません。
そのためここでは、『求人ボックス 給料ナビ』を参考にしてみましょう。
求人ボックスの2022年度1月の統計によると、映像制作の仕事の平均年収は445万円となっています。これは日本の平均年収である432万円と比べてやや高い傾向にあります。
ただし、これは映像制作全体の仕事の平均年収であり、映像編集者のみではないことには注意しておきましょう。
求人・就職情報・需要
映像編集者の需要は今後もあるといえるでしょう。
現在はテレビの視聴率、映画館への来館数は下がったものの、サブスクやYouTubeは活発となっています。NetflixやU-NEXT等のサブスクリプションサービスで映画を観る人が年々増えてきています。また、YouTubeでの動画視聴時間も年々増えてきています。
アメリカの市場調査会社ニールセンの調査によると、スマートフォンでの動画視聴率は2015年の1時間51分から、2019年には7時間13分まで増加しています。このことから、テレビの映像編集だけではなく、YouTubeの動画編集も大きな規模となっていることがわかります。
また、YouTuberにも多くみられますが、現在では簡単な動画の編集を自身で行う人が増えてきています。Tiktokなどでは大半の人が自身で動画の編集をしています。そのため、これからの動画編集者にはより専門的な技術、例えばCGや3Dアニメの編集、編集によるストーリー構築の技術などが求められることになると言えそうです。
やりがい・魅力
映像編集者のやりがいは、自身の技術を使って映像作品を作り、人の感情を動かせることです。
映像編集者はYouTube、映画、アニメ、テレビ番組、CMなど様々な映像を作ることで視聴者の心を動かします。その過程にはクライアントの意向、プロデューサーの意向、監督の意向など様々な要求がありますが、その思いを形にして人に届けられた時の感動はやりがいとなるでしょう。
つらいこと・大変なこと
映像編集者の大変なことは、制作ならではの忙しさです。
映像編集のもととなるテレビ番組や映画などは納期がはっきりと決まっており、複数の納期が重なる場合もあります。クリエイティブな職種に多いことですが、どうしても残業や泊まり込みも多くなります。その中でクライアントが納得のいくものを仕上げる必要があるため、プレッシャーがかかる仕事であるといえます。
今回の記事はこれで終わりです。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。
参考にしたサイト
『キャリアガーデン』
https://careergarden.jp/eizou-creator/
『職業情報提供サイト(日本版O-NET)』
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/214
『スタディサプリ進路』
https://shingakunet.com/searchList/ksl_daitan/jl_ed010/jm_ec120/js_e1230/area_kanto/?af=2
『デジタルハリウッド大学』
https://www.dhw.ac.jp/faculty/movie/video_editing/