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【図書館司書】司書の給料やなり方などを解説‐シゴトニンラボ

今回紹介するシゴトは司書です。司書と言われると、私は学校にいる図書室の先生をイメージします。ですが、司書の仕事は実はこの図書室の先生だけではありません。様々な図書館で司書は活躍しています。

都道府県や市町村の公立図書館、私立図書館、大学図書館、学校図書館、国立国会図書館、専門図書館など。司書は種類の異なる様々な図書館で、知識を支える仕事をしているのです。

司書は本や資料の収集・分類整理・管理、貸出、情報提供、事務など多岐にわたるシゴトで図書館を支えています。

仕事内容

司書は図書館や資料室で資料を収集・整理・保存し、情報資料を提供、貸出しています。また、図書館運営のための事務・管理業務にも従事します。

司書は一般的に「図書館司書」と呼ばれ、地域の公立図書館や大学の図書館などで、本の管理や利用者対応などを専門的に行う職員のことを指します。

日々新しい書籍が刊行されるなか、司書は様々な本を自身の図書館の性質に合うように収集する必要があります。

書籍は一般書から学術書まで多様なジャンルがありますし、図書館を利用する人は老若男女幅広いため、さまざまな本の知識なくしてはできない仕事だといえるでしょう。

ここでは主に6つの分類の図書館で従事する司書の方達の仕事を簡単に紹介します。

公立図書館

公立図書館では、地方公務員試験を受けた公務員が中心となってシゴトをしています。資料の購入・寄贈・移動の業務を主に行います。

また、これらの業務に加えて、地域社会へのサービスに力を入れているのが公立図書館の特色になります。

子どもや老人など他の年齢層に比べ図書館利用率が高い人向けの企画を立てたり、地域社会にとって価値の高い蔵書(地域の歴史書など)を収集したりします。

興味のある方は『日本図書館協会 公立図書館https://www.jla.or.jp/link/link/tabid/172/default.aspx

で全国の公立図書館一覧を見ることができるので、参考にしてみてください。

私立図書館

私立図書館では、様々な人が司書として働いています。司書の資格の有無や正規雇用非正規雇用など、雇用条件にも大きなばらつきがあります。

私立図書館でのシゴトは各図書館によって違ってきます。

カフェの併設や専門ジャンルへの特化、イベント中心の図書館など図書館によって持ち味が大きく異なるため、働く場合は自身にあった図書館を見つける必要があります。

興味のある方は『日本図書館協会 私立図書館https://www.jla.or.jp/link/link/tabid/166/Default.aspx

で全国の私立図書館一覧を見ることができるので、参考にしてみてください。

学校図書館

ここでは小中高の図書室のことを学校図書館と呼びます。

学校図書館では「司書教諭」の免許を取得し、教員採用試験に合格した人が司書として働いています。

学校図書館の司書は図書室の本の管理・分類・購入だけではなく、生徒への指導も行います。図書館の使い方、辞書の引き方、情報提供などを授業内で指導します。

また、図書館だよりや新刊案内、生徒間の「ビブリオバトル」の企画をしたりします。少年少女たちに関わる機会が圧倒的に多いのが特色になります。

大学図書館

大学図書館の司書は国立大学法人の「司書」の枠で採用された人、各大学の司書採用試験に合格した方が従事するシゴトになります。

大学図書館の司書は図書館の管理・運営・分類・貸出を行います。また研究で利用する学生や教員が多いため、専門の資料を探したり取り寄せをすることが大学図書館の特色です。

他にも論文のコピーや管理、PCなどの管理・貸出も行います。学生と利用者の学びをサポートすることが大学図書館司書の主な仕事になります。

興味のある方は『日本図書館協会 大学図書館https://www.jla.or.jp/link/link/tabid/169/Default.aspx

で全国の大学図書館一覧を見ることができるので、参考にしてみてください。

国立国会図書館

国立国会図書館では、国会図書館の試験に合格した方が司書として働くことになります。

国会図書館の特色は、調査業務・納本図書館であること・図書館のデジタル化の中心となっていることです。

調査業務は国会議員から依頼された質問について調査し、回答するシゴトです。

納本図書館とは日本中の書物が集まる場所ということです。書物を出版した場合は国立国会図書館に納本する義務があるため、国立国会図書館には多くの書物が集まります。

また、国立国会図書館は書物を電子データに変換する作業もしています。

興味のある方は『国立国会図書館https://www.ndl.go.jp/

のHPにより詳しい情報が載っているので、参考にしてみてください。

専門図書館

専門図書館は音楽・映画・労働・宗教など各分野ごとの資料を専門的に収集する図書館を指します。

資料の範囲が限定される分、利用者も専門的な知識を求めて来館する方が多いため、司書にも専門的な知識が必要とされます。

司書として専門分野を持っている方は、自身にあった専門図書館を探すのもよいでしょう。

ここでは一例として『広島市まんが図書館』http://www.library.city.hiroshima.jp/manga/index.html

のHPを紹介します。興味のある方は参考にしてみてください。

なり方

司書として働くためには資格を取って働く場合と、資格なしで働く場合の2通りに分かれます。

資格を取って働く場合

(1)司書資格を取得する場合

「司書」の資格を得るには、「司書養成科目」が開講されている4年制大学・短大を探す必要があります。

「司書養成科目」が開講されている4年制大学は150大学以上、短大は50大学以上存在しているので、通いやすさを重視して選ぶこともできるでしょう。

ただし、図書館情報学を専門的に学べる学部や学科がある大学・短大は全体で見ると数が少なく、多くの場合は文学部などのいずれかの学科を専攻しつつ、「司書養成科目」を選択して履修することになります。

また国公立で司書養成科目が開講されている大学は多くないため、自身の行きたい大学で司書養成科目が取れるかは確認しておきましょう。

司書資格を取れば多くの場合、先述の学校図書館の司書教諭以外の採用試験の応募資格は満たすことができます。図書館によっては大卒以上、実務経験必須の場合もありますが、資格を取ることは第一条件だといえます。

(2)司書教諭資格を取得する場合

司書教諭資格を取得する場合、前提として教員免許が必要になります。教員免許取得のための勉強と同時に、司書教諭講習を受講して司書教諭の資格も取る必要があります。

それに加えて大学卒業と同時に司書教諭として働きたい場合は、同じ年に教員採用試験を受ける必要もあります。

司書教諭の資格は教員免許とは異なるため、免許状はありません。代わりに「司書教諭講習修了証書」が発行されます。

資格を取らずに働く場合

(1)国立国会図書館の採用試験を受ける場合

国立国会図書館の司書は全員「司書補」としての採用であり、司書の資格は必要ありません。

ですが国立国会図書館の職員になるには、国立国会図書館採用試験に合格する必要があります。一般職総合職問わず、倍率は低い時でも50倍、高い時では100倍以上になるため、面接を突破するための経験や学問的知識が必要とされます。職員の院卒者の割合が30%以上と非常に高く、難易度の高さが窺われます。

(2)大学図書館の採用試験を受ける場合

大学図書館は大学によって採用基準が異なりますが、国立大学の司書として勤務する場合は司書資格は必要とされません。

ですが国立大学の司書となるには、国立大学法人等の採用試験を受けて合格する必要があります。また二次試験では図書館学の試験があるため、資格は必要ありませんが図書館学の勉強は必要となります。加えて試験に合格した場合も大学ごとの面接試験を受ける必要があるため、決してなりやすい職業とは言えません。

倍率は試験を受ける地方や大学、年度によって異なりますが、大学の採用試験の最終合格倍率は30~50倍程度になることが多いです。

(3)非正規雇用で司書として働く場合

図書館によってはアルバイトやパートを募集している場合もあり、司書資格を取りたい、取っている最中の学生や主婦、フリーターの方は、アルバイトやパートとして従事してみるのも良いでしょう。

公立図書館や私立図書館では募集は極端に少ないですが、大学の図書館では1年に数人募集しています。特に大学図書館は在籍している学生限定で募集している場合もあるため、面接の競争率も低いことがあります。採用試験を受ける前に実務をしていれば、良い経験にもなると思います。

年収

政府の運営する職業情報提供サイト(日本版O-NET)(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/182)によると、司書の平均年収は496.8万円で、日本の給与所得者の平均年収である436万円1より約60万円高くなっています。

ハローワークの月額求人賃金の平均は21.3万円です。

司書は公務員の採用が多く、平均年収が全国平均よりも高くなっていると考えられます。一方で非正規雇用の図書館司書は待遇が悪く、給料はそれほど高くありません。シゴトに求められる専門性に年収が見合っていないと感じることもあるかもしれません。

スケジュール例

図書館によって開館時間や閉館時間、休館日が異なります。そのため司書の働く時間や休みの日はそれぞれで異なります。

ここでは、公立図書館に勤務する司書の1日について紹介します。

8:00 開館準備

9:00 カウンター業務

10:00 新着資料の受入手続きや図書の修繕作業

12:30 カウンター業務

14:00 企画会議に参加

17:00 閉館

17:30 残務処理後、退勤

公立の図書館は朝9時に開くところが多いです。司書は開館時間よりも早く出勤し、簡単な掃除やカーテンの開閉、予約の確認などの会館準備をします。開館後は基本的にはカウンター業務です。本の貸し出しや予約の受付を中心に働きます。昼の休憩を交代で取り、午後は会議に参加することもあります。閉館後は開館中に終わらなかった作業やカーテンの開閉をしてすぐに帰宅します。図書館は営業時間が決まっているので残業は一般的な会社員などと比較すると少ないです。

求人・就職情報・需要

職業情報提供サイト(日本版O-NET)(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/182)によると、ハローワークの有効求人倍率は0.22倍と非常に低くなっています。無期雇用の司書採用となると、さらにその数は減ると考えられます。

近年様々な業種で非正規雇用化が進んでいますが、司書はその割合が顕著です。東洋経済オンライン(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/librarians/)の調査によれば、16年間で常勤司書が4分の1程度減少したのに対し、非常勤司書は4倍超の伸びを示しています。

非常勤としての需要は今後も伸び続けていくかもしれませんが、全体として求人は多く出回っていない職業です。

やりがい・魅力

司書のやりがいは、本と知識に囲まれて、それらを支える仕事に就ける点です。

本の管理や修繕作業を通して本を支えている実感を得ることができ、時には新たな本に出会うこともできます。知的好奇心の強い人はやりがいを感じられるでしょう。

また、本を通して多くの年代の人と関わることもできます。企画を通して様々な人と交流したり、カウンターで様々な人と関わることができます。

本が好きで、読書の楽しみを支えたい人には強いやりがいが感じられるでしょう。

つらいこと・大変なこと

司書のつらいことは、シゴトに専門性が求められるにもかかわらず、非正規雇用など待遇に恵まれていない点が挙げられます。

非正規雇用の人は収入に見合っていない専門性を求められ、不満を覚えるかもしれません。

逆に数が少なくなっている正規雇用の人には、業務の責任の重さや、非正規雇用の司書が多くいる中で自身のシゴトへのプレッシャーも大きなものとなるかもしれません。

雇用形態のバランスの悪さは、司書として働くうえで大変なことだといえます。

まとめ

司書のシゴトは本と知識を支え、未来に文化を繫いでいく大切なシゴトです。また、社会全体、あらゆる年代で活字離れが進行しており、司書には読書の楽しさを広めていく役割も期待されています。この記事を読んだ方で、司書のシゴトに関心を持った方がいれば幸いです。

参考にしたサイト

キャリアガーデン

https://careergarden.jp/shisho/

職業情報提供サイト(日本版O-NET)

https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/182

文部科学省 学校図書館

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/sisyo/1327733.htm

 

 

  1. 国税庁 令和元年 民間給与実態統計調査を参照https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf