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【大工】大工の仕事や年収をわかりやすく解説‐シゴトニンラボ

今回紹介するシゴトは大工です。

大工と聞くと、漠然と家や建物を作る人で、ノコギリやノミを使っているというイメージですね。調べてみると、実は大工は今は電動工具を使うことが多く、昔ながらのノコギリをメインに使う所も減少しているようです。

かと思えば、昔ながらの手作業で神社や寺を作る宮大工と呼ばれる大工がいたりしますね。大工にも色々なシゴトがあるようです。今回はその大工のシゴトを見てみましょう。

仕事内容

大工のシゴトは主に3つに分かれます。1つ目は加工、2つ目は組立、3つ目は事務です。それぞれ見ていきましょう。

加エ作業

大工のシゴトには木材の加工も含まれています。近年のハウスメーカーでは工場で木材を加工するところもありますが、大工が加工作業する場合もあります。

大工は工具を使って建築資材を加工します。現代では電動工具を使用する場合が多いですが、ノコギリやノミなど、昔からの道具と技術を使う場合もあります。

加工作業には設計図通りに資材を加工し、綺麗に仕上げをすることが求められます。

組立作業

私たちが想像する一般的な大工は、工事の中で「木工事」という建て方から内装の手前までを担当します。

まず大工は、「建前」(棟上げ)と呼ばれる作業を行います。ここでは骨組みである柱、梁(はり)という柱を支える木材など、建物の主要構造を組み立ててていきます。

その後屋根の下地、サッシ(窓枠)の取り付け、壁・天井の下地、床材や内壁版取り付けなどの作業を行います。

また設計図の寸法が実際と違うなどのトラブルがあった際には、設計図に手を加えたり変更を提案したりします。

事務作業

大工は現場での職人作業だけではなく、人によっては事務所でのデスクワークも行います。

経験を積んだ大工は設計図を見て作業工程を考えたり、シフト表を作成したりします。

また、金銭管理や収支管理にパソコンを使うことや、担当する作業によってはCADという設計ソフトを用いることもあります。

雇用形態

大工の雇用形態は大きく4つに分かれます。それぞれ見てみましょう。

社員大エ

工務店の社員として正規雇用された大工で、月給制、賞与あり、各種手当が支給されます。各種保険(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)も完備しており、作業する現場がない時でも月給が支払われます。

常傭(じょうよう)大エ

常傭大工は、工務店に雇われる大工です。常傭大工には工事の出来高に関係なく作業時間・日数に応じて給料が支払われます。ですが1日あたりの給与額は、技能レベル、シゴトの速さに左右されます。正社員と違い各種保険は完備されていませんが労災保険には加入義務があります。

日給月給大工

賃金形態は常傭大工と同じですが、常傭大工と違う点は、基本的にはその時限りの雇用であることです。工務店に長期的に所属することは基本ありません。

手間請け大工

手間請け大工は、工事の請負から完成までを施工する大工のことです。一般的には施工と管理を請け負います。

給料は坪当たりの単価によってあらかじめ決められた額が支払われます。予定より工事が遅れたり手間がかかっても給料が増えることはありません。

「一人親方」とも呼ばれるこの大工は、現場ごとに契約するフリーランスのような働き方で、大工としての経験と技能が必要とされます。

なり方

大工になるために特別な学歴や資格は必ずしも要求されません。それよりも大工は道具の扱い方、設計図の見方、建築技術の知識など専門的な能力が必要とされます。早い人だと中学卒業後に親方に弟子入りして大工として働き始めます。反対に、大学や専門学校で伝統建築技術を学んだりして大工になる人もいます。

大工は道具の扱い方、設計図の見方、建築技術の知識など専門的な能力が必要とされます。ハウスメーカーの注文に沿って建物を作る大工だと、3~5年程度で一通りの技術を身に着けることができます。「宮大工」と呼ばれる神社など木組み(釘を使わない工法)や彫り込みなど、伝統的な技術が必要とされる職場では、一人前と認められるのに10年ほどかかるようです。

中学卒業後すぐ現場に入る場合は、工務店に就職することになります。現場での作業を通して技術を覚え、加工から組立までを学んでいきます。

高校や大学で専門的に土木について学んでいた人は、大工としての基礎的な知識や道具の使い方を学んでから就職することになります。また、就職後は職人としての手仕事だけではなく、設計や工事全体の管理をする道もあります。

年収

『令和2年賃金構造基本統計調査 1』によると、大工の平均年収は377.7万円です。全国平均の436万円2に比べると低くなっています。

『求人ボックス給料ナビ3』も見てみましょう。これによると、大工の平均年収は以下の通りです。

・正社員…平均年収405万円

・アルバイト…平均時給962円

正社員の大工とアルバイトでは、年間の収入に大きく差があることが分かります。また、大工は見習いとベテランでも大きく給与が変わります。見習い時代は月収20万円未満でボーナスがないところも多いですが、ベテランになると月収30万円~でボーナスがあるところもあります。

男女比

大工の男女比は、95%以上が男性という統計もあるほど、男性比率が高い職業です。

大工には力が必要という側面もありますが、大工は男性のシゴト、という社会的なイメージも女性の大工が少ない原因になっています。

現在は全国的に数が減少し続けており、国勢調査の結果では1980年~2015年で大工の就業者数は半分になりました。

建物を建てることに昔ほど人手が必要とされなくなったとはいえ、人手不足の状況にあります。女性の大工を増やせるかどうかも人手不足解消に関わってくるでしょう。

資格

大工には必ず要求される資格はありませんが、技能を証明するための資格は存在します。

それが建築大工技能士という国家資格です。

建築大工技能士の試験では木造建築の知識、技量が問われます。1級・2級・3級に分かれており、それぞれ学科・実技試験に合格することが必要です。

また受験には級によって6カ月~7年以上の実務経験が必要とされます。ですが必要な実務経験年数は学歴により細かく分けられているため、必ず確認しましょう。

大工の1日

大工は雇用形態や熟練度、大工の種類によって1日が大きく変わってきます。ここでは、実際に現場で働く大工の1日を見てみましょう。

7:30 現場に移動

8:00 点呼・安全確認

8:30 作業開始

12:00 昼休憩

13:00 作業再開

15:00 休憩

18:00 作業終了

大工のシゴトは朝早くから始まります。現場に集合したら点呼を取り、足場や装備等の安全確認を行います。

作業はその日によって異なりますが、現場では実際の組立作業を行く、加工作業は工務店で済ませておきます。もしも設計図通りに作れなかったり、木を磨くことなどが必要となれば、加工作業も行います。雇用形態に関係なく、いくつかの現場の作業を並行して進めることが一般的です。

求人・就職情報・需要

大工は就業人数の減少、若手世代の減少に伴って需要が伸びています。

令和2年度のハローワークの「無期または4か月以上の長期雇用求人」の有効求人倍率は2.16です。これはつまり、大工のシゴトを希望する求職者に100人に対して求人数が216あるということです。

そのため、就職先についてはある程度吟味したほうが良いでしょう。

例えば正社員と非正規では、待遇と持続性が大きく変わってきます。正社員の中でも、福利厚生や給与、残業時間は異なります。

また、大工と言っても色々な種類、色々な建物を建てる大工がいます。自身が興味のある分野や適性のある分野を考えて就職先を選ぶことも大切です。

やりがい・魅力

ものづくりに直接携われることは大工の魅力です。

自身が建てた建物は、10年、20年、その先も残っていきます。宮大工だったら、100年、200年と残っていくことも考えられるでしょう。それを自身が身に着けた技術で形にできることはやりがいだといえるでしょう。

近年では電動工具を使うところの方が多いですが、昔ながらの職人の技術を受け継ぎ、そこに磨きをかけることも大工のやりがいに繋がります。

つらいこと・大変なこと

つらいことは、怪我に繋がりやすいシゴトであるにも関わらず、正社員でなければ保険が完備されていなかったり、収入が他職業に比べて低い水準にあることでしょう。

大工として働くうえで、他職種以上に体が資本となります。ですが人間であれば怪我をすることもあれば病気になることもあります。そういった場合に保障が薄いことが大工のつらいことになります。

また、収入が相対的に低いことも大変だといえるでしょう。

今回の記事はこれで終了です。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

参考にしたサイト

キャリアガーデン

https://careergarden.jp/daiku/

職業情報提供サイト(日本版O-NET)

https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/26

13歳のハローワーク

https://www.13hw.com/jobcontent/05_03_01.html

スタンバイ

https://jp.stanby.com/contents/detail/daiku

  1. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html
  2. 国税庁 令和元年 民間給与実態統計調査を参照https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf
  3. https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/%E5%A4%A7%E5%B7%A5%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%83%BB%E6%99%82%E7%B5%A6