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【農家】農家の収入・仕事内容・なり方などを解説‐シゴトニンラボ

農家とは

農家は、第一次産業である「農業」によって収入を得るシゴトです。米、野菜、果物、花木などの農作物を一から育て、商品として出荷することで利益を出しています。農業を中心に生計を立てる「専業農家」と、その他のシゴトと両立して生計を立てている「兼業農家」に分類されます。

広辞苑には、「農民の住居である家。農業を営む世帯。」と記されています。

また、農林水産省は農家を「農家」とは、経営耕地面積が10a以上又は農産物販売金額が15万円以上の世帯」と定義しています。

政治家、小説家、音楽家、書道家、芸術家、空手家など、その他の「家」がつく職業はどれも「個人」を指すのに対して農家は「世帯」指すというのが興味深いところです。

それでは早速具体的な仕事内容を見ていきましょう。

仕事内容

農家の主な仕事は農作物の生産を行うことです。

作物によって育て方や時期が異なるため、農家によって具体的な業務内容や過ごし方は異なります。しかし、どの作物もおよそ以下の手順でつくられ成長します。

①土作り

農業の最初の一歩は土作りです。土は、関東地方の関東ローム層のような粘土を多く含んだ重い土から、砂のようにさらさらとした乾燥した軽い土まで地域によってさまざま。土の性質によって育てる作物も変わってきます。まずは育てる作物に適した土作り、肥料入れなどを行います。

②田植え・種植え

田んぼや畑の面積によって異なりますが、ある程度の面積がある場合は、田植え機や種まき機を使って苗を植えていきます。野菜や果物の場合も同様に種を植え付けていきます。

③日々の手入れ

作物の成長に合わせて肥料を追加したり、雑草を除去したり、病害虫の駆除などをします。田んぼの場合は、水の管理、ビニールハウスの場合は、温度の管理が特に重要になります。

④収穫

稲穂が実ったら刈り取り、天日に干して乾燥させて脱穀します。野菜や果物の場合は出荷時期を考えて一気に収穫していきます。

⑤出荷

農作物を袋や箱に入れ出荷する作業も農業のシゴトのひとつです。作物によってはさらに加工を施すこともあります。

出荷先は青果市場、農協の市場、直売所などのほかに、最近では道の駅や小売店、レストランへの直売、消費者へ直接販売するなど、売り先も多種多様になっています。

なり方

農家として働くために学歴や資格は必要ありません。家が農家ならば中卒で働くことも可能です。

農家になりたい場合には、大きく分けると、個人事業主として開業しながら働く方法と農業法人に就職して働く方法の2つの選択肢があります。

個人事業主の場合、栽培計画から販売手法まですべてを自分の裁量で決められるというメリットがありますが、農地の管理や資金繰りなど、さまざまな責任が伴います。

一方で農業法人に就職する場合、毎月給料をもらいながら働くことになるため安定した収入を得ながら農業を行うことができます。生まれ育った家が農家でなく新規参入で農家をめざしている人の場合、最初の数年間は農業法人で技術や経営を学び、その後に個人事業主として独立するのが一般的です。新規就農の場合は農地の確保等で最初の資金が必要になるので、その資金を貯めるために数年間働くという人も多いです。

農業を営むためにはさまざまな知識や経験が必要となるため、実家が農家ではない場合には、専門の学校で学んだり、農業法人に就職して働きながら学ぶことが推奨されます。

雇用形態

農業法人の社員、個人事業主、アルバイトなどの雇用形態があります。

農業法人に関して、農業法人への就職はかつては縁故採用が大部分を占めていました。しかし、最近では求人を出す農業法人も増えています。農業法人の求人は、インターネットやハローワークなどで探すことができます。農業に特化した求人サイトもあるので、そういったところで探すと見つかりやすいでしょう。

個人事業主の自営農家は農業法人に比べると自由度が高く、自分でつくる作物や栽培方法を決めることができる反面、何かあった場合は自分で全責任を負わなくてはなりません。自営農家の場合は販売ルートも自分でつくらなくてはなりません。

多くの場合作物は農協などに出荷されます。しかし近年は自らインターネットを利用して販売をしたり、直接直売所やスーパーなどに卸したりしている人も多くいます。

農業の体験をしたい学生はアルバイトとして働くことも可能です。忙しい時期だけアルバイトを探している農家もあります。期間は数日単位のものから年単位のモノまで様々です。

農家の年収

農林水産省によると、農家の所得は以下の通りです。

農家の所得=農業所得(農業の儲け)+農業生産関連事業所得(農業関連事業の儲け)+農外所得(農業以外の兼業の儲け)+年金など

農業所得というのは、米や野菜などを売って儲けた収入から、農業経営にかかった費用を差し引いた取得です。つまり本業である農業で得た所得です。

農業生産関連事業所得は、農産加工品や農家民宿・レストラン、観光農園などの農業関連の事業収入のことです。

農業以外の兼業で儲かったお金は農外所得と呼ばれます。それぞれの割合は年度によって異なりますが、傾向として農業生産関連所得はほぼ0に近く、その他は以下のような割合になっています。

農業所得が25%、農外所得が45%、年金などが30%

農業所得113万円+農外所得203万円+年金135万円=450万円が平均年収となっています。

農業自体の収入よりも副業や年金のほうが収入として大きいのが特徴です。

これはあくまで平均であり、平均以上稼ぐ専業農家も多くいます。

(農林水産省https://www.maff.go.jp/)

人口・男女比・年齢層

農林水産省のデータによると、平成22年は260万6,000人、27年は209万7,000人、28年が192万2,000人となっており、農業従事者は減少傾向にあります。現在は約150万人ほどまで減っています。

農業従事者は高齢化も問題になっていますが、平成29年データで65歳以上の概数値は120万7,000人。66%が65歳以上です。49歳以下の人口は35%です。高齢化は現在進行形で進んでおり、農家の数は減る一方でしょう。

男女比は約1:1ですが、男性のほうが若干多くなっています。

スケジュール例

05:00 起床

05:30 作業開始

08:00 朝食

09:00 作業再開

13:00 昼食

14:00 作業再開

17:00 作業終了

農家の朝は早いです。太陽が出ると作業を開始します。朝食、昼食など休憩をはさんで作業を続け、日が暮れると作業終了です。一日の作業の内容は、時期によって大きく異なります。土づくりをする時期であれば畑や田んぼに肥料をまき、植えつけの時期には苗を植え、収穫の時期には一日中収穫をして出荷の準備をします。

昼間はサラリーマンとして働いている兼業農家の人は早朝や休日に農作業を行います。

作業時間は所持している畑の大きさによって異なってきます。

やりがい・魅力

農家の一番のやりがいは、自分の手で一から農作物を育てることです。ひとつの農作物を収穫するまでには、長い時間がかかります。苦労して育てあげた野菜や果物を収穫した時、満たされた気持ちになります。

外で作業することが多い農業は、暑さ寒さなどの厳しさもありますが、一方で季節の移り変わりを肌で感じながら太陽の下で作業ができるという充実感を得ることができます。

日照時間に合わせて作業を行うため、生活リズムも安定して健康的な日々を送ることができます。自然の中での作業を通して得られるさまざまな感動やメリットがやりがいにつながるようです。

また自分の育てたお米や野菜がたくさんの人の食卓に並ぶことに誇らしさを漢字、モチベーションにつながります。

大変なこと・つらいこと

自然を相手にするシゴトのため、人間の力ではどうしてもコントロールできない部分があります。夏の暑い中作業を行うのは体力が必要ですし、台風などの自然災害によって畑が壊滅してしまうこともあります。

農業だけでは収入が足りず、生活するために副業をせざるを得ない人も多くいます。

農業で生活を成り立たせるためには、それなりの農地が必要で、広い農地を管理して作物を栽培するには多くの人手が必要です。農地を広くすればするほど売り上げも大きくなりますが、働き手を雇ったとしても給料を支払えるほどの収入がないという人も非常に多く、自分や家族のみで管理できる範囲で細々と続けている人も非常に多い現状です。

跡継ぎがおらず、離農するケースが増えています。こうした高齢化に伴う就農者の減少傾向は社会問題化しており、新規就農者を育成することが課題となっています。

参考にしたサイト

キャリアガーデン

https://careergarden.jp/

キャリアピックス

https://career-picks.com/

農林水産省

https://www.maff.go.jp/