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経営コンサルタントという仕事についてわかりやすく解説‐シゴトニンラボ

近年「コンサルティング」や「コンサルタント」という言葉をよく聞くようになりましたね。皆さんはこの言葉の意味を説明できますか?

実は「コンサルティング(consulting)」に対応する日本語はありません。最も意味合いが近いのは「相談すること」です。日本では基本的に、「企業の役員に対してその企業に関する相談を受け、解決策を示し、運営を手助けすること」を指します。

「コンサルタント」とはコンサルティングをする人のことを指します。

つまり経営コンサルタントとは、簡単に言うなら経営の手助けをするシゴトです。

早速仕事内容について見ていきましょう。

仕事内容

経営コンサルタントは企業の経営をアドバイスをする専門家です。

企業は内部の関係者たちだけでは問題解決が難しいと判断した時、外部のコンサルタントに相談します。コンサルタントはしっかりとクライアント(依頼人)の話を聞き、どこに問題があるかを見極めることが重要です。

問題を把握した後の解決策を見出し、的確なアドバイスをするには確かな実力と経験を必要とします。また、問題解決のみならず、経営のさらなる効率化のための診断、人事や給料の見直し、などを行うことも多いです。

そのため新人のコンサルタントは始めの数年は経営課題を解決に導くための市場調査や市場分析を主な業務としています。この研修のような期間の職位をアナリストと言います。アナリストの段階では直接クライアントとコミュニケーションを取ることはありません。アナリストとして数年経験を積み、所属する会社に認められることでコンサルタントという職位に就きます。一般に経営コンサルタントというのは、このコンサルタントの職位を指します。

コンサルタントとして5〜10年ほど働くと、マネージャーに昇進することもあります。マネージャーはアナリストやコンサルタントをまとめるリーダー的立ち位置で、プロジェクトの管理を任されます。例えば予算の管理やクライアントとの様々な調整を行います。また、指示だしをする機会も多くなります。

経営コンサルタントになるには

最も一般的なのは、新卒でコンサルティングファームと呼ばれる、コンサルティングを専門として扱う民間企業に就職する方法です。勤務後数年間はアナリストとして経験を積み、コンサルタントになります。

コンサルティングには経済や経営に関する知識が必要になるので、経済・経営系の学部や商学部のある四年制大学に通うのが良いでしょう。コンサルタントになるために必ず必要な資格はありませんが、持っていると有利になる資格はあるので、後ほど紹介します。

また、一般企業で普通の社員として働いたのちに経営コンサルタントに転職するというケースもあります。ビジネスの現場で得たスキルコンサルティングの場で役立つことが多く、転職者の多い職業となっています。

学歴・資格

学歴に関しては、基本的には難関大学卒業者が有利になります。小規模であれば高卒者でも採用試験を受けることは可能ですが、実際に採用されるのは難しいでしょう。

経済や経営に関する知識が必要になるシゴトのため、大卒者が有利になるのは自然なことです。

コンサルタントになるために必ずしも資格は必要ではありませんが、持っていると有利になる資格はあります。中でも代表的なのが「中小企業診断士」です。

中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対応するための診断とアドバイスを行う専門家の事です。存在の役割や業務が経営コンサルタントと重なる部分が多いです。国家資格であるため、信用性もあります。詳細はこちらをご覧ください。

J-SMECA 中小企業診断協会

働き方

コンサルタントは基本的にコンサル会社で正社員として働くか、フリーランスとして働くかしかありません。その他の職業と違って、経験や知識なしでできるシゴトではないので、アルバイトや契約社員という働き方はないものと思ってください。

コンサル会社の採用は特に変わった風習があるわけではなく、その他の民間企業同様に採用試験の面接があるのみです。コンサル会社にはいくつか種類があります。メジャーなものは「戦略系コンサルティング」「総合系コンサルティング」「ITコンサルティング」「医療・ヘルスケア系コンサルティング」など1つの分野に特化した会社が多いです。

・シンクタンク

また、シンクタンクと呼ばれる、コンサルティングを行う研究機関があります。シンクタンクとは、政治、経済、科学技術など、幅広い分野にわたる課題や事象を対象とした調査・研究を行う機関です。

政府系のシンクタンクと民間のシンクタンクに分けられます。政府系の場合は主に政策の提言などをする政策研究機関です。政府系シンクタンクの助言が政策に直接反映されることも多くあります。

これに対し民間のシンクタンクは、企業からの依頼を受けて活動しています。企業の問題解決や企業戦略について、専門家の立場で提案・助言をすることで企業活動をサポートしています。日本のシンクタンクの場合、多くは野村研究所のように「○○○研究所」という名前になっています。

フリーランスでコンサルタントをしている人は、コンサル会社で経験を積んだ後に独立する人や、中小企業診断士の資格を取っている人がほとんどです。未経験者でも経営コンサルタントを名乗ることはできますが、独立して生活するのはかなり厳しいです。実績のない未経験者に自分の会社や事業に関する依頼をする経営者なんてほとんどいませんよね。副業として地道に経験を重ねていくやり方であれば独立できるかもしれません。

年収

求人サービスサイトの統計データをもとに平均年収を出したところ、約700万円でした。600万円~800万円が相場でしたが、外資系コンサルはより高い傾向にあります。

コンサルティング業界は平均年収が高いので人気の業界となっています。その分学歴が求められたり、外資系コンサルであれば英語の能力が求められます。

フリーランスに関しては人によって収入の差はかなり生まれます。実績と経験を持ち合わせるコンサルタントは年間で数千万を稼ぐことも珍しくありません。

スケジュール例

09:00 出社

10:00 会議

12:00 昼休憩&移動

13:30 クライアントの病院へ移動

19:00 病院から帰宅

出社時間は基本的には8時~10時の会社が多いです。会社に出社する日もあれば、直接クライアント先に行くこともあります。基本的にクライアント先に行くことが多いので、週によっては1回も会社に行かない日もあります。会社にいるときはプレゼン資料の作成や会議を行っています。

やりがい・魅力

ひとつの魅力は高い年収を望むことができる点です。年齢や性別に関係なく、実力が認められれば収入が上がっていくというシゴトです。意欲のある人はどんどん昇給していきます。

また、困ってる企業を助けるシゴトのため、サポートや助言が良い方向にはたらいたときは大きな安心感と喜びを感じることができます。

人によっては、与えられた課題が難しいほどモチベーションがあがり、やりがいを感じることでしょう。

大変なと・つらいこと

経営が苦しい状況のクライアントの難しい要求にこたえるために頑張ろうとすることで、ストレスやプレッシャーを感じることがあります。業務量も多く、肉体的にも精神的にもタフさが求められます。

業務量の多さから定時内では資料作成などが間に合わず、残業が続くことがあります。高学歴で能力の高い人が多いため、その中で劣等感を感じてしまう人もいるみたいです。

参考にしたサイト

『キャリアガーデン』

https://careergarden.jp/

『スタディサプリ進路』

https://shingakunet.com/

『13歳のハローワーク』

https://www.13hw.com/home/index.html

『Benesseマナビジョン』

https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/job/list/059/