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歌手になるには?歌手のなり方や年収について解説‐シゴトニンラボ

歌手の種類

歌手とは皆さんの想像の通りで「歌うことをシゴトにしている人」のことを指しますが、その種類はたくさんあります。代表的なものをいくつか紹介します。

シンガーソングライター

自分の歌う曲を自分自身で作詞作曲する歌手のことを言います。作詞作曲をできない歌手も多くおり、そういった場合は作曲家やシンガーソングライターに楽曲を提供してもらうことになります。

現代の代表的なシンガーソングライターとして「あいみょん」や「優里」などが挙げられます。

アニソン歌手

アニメソングを専門に歌うのがアニソン歌手です。アニメの登場によってアニメソングが注目されるようになり、同時にアニソン歌手が誕生していきました。1973年に『マジンガーZ』の主題歌レコードが売り上げ70万枚を超えた「水木一郎」からはじまり、「高橋洋子」や「水樹奈々」、近年では「LiSA」などが大きな人気を博しています。

演歌歌手

こぶしをきかせて男女の愛や別れといった情感を歌うのが特徴の演歌。演歌歌手はその他のジャンルの歌手と比べると年齢層が非常に高いです。60歳を超えても現役でいる演歌歌手は非常に多く、また演歌を聴くのも恒例の方が多いです。独特の歌い方やリズム、曲の雰囲気が若い世代よりもシニア世代に人気があるからだと考えられます。

ですが最近では「新浜レオン」や「青山新」などの20歳前後の演歌歌手がデビューしており、演歌界隈はひそかに賑わっています。

クラシック歌手

クラシック音楽を専門とする歌手です。クラシックは楽器のみで演奏する「器楽曲」とボーカルの入る「声楽曲」に分けられます。この声楽曲でボーカルになるのがクラシック歌手です。クラシック声楽曲にはオペラ、宗教曲、合唱曲などがあります。

オペラ歌手

オペラは歌劇とも呼ばれる舞台芸術です。演劇と音楽と組み合わせたもので、ミュージカルと性質は同じですが、扱う音楽の種類が異なります。ミュージカルがジャズやロックなど幅の広いジャンルの曲を扱うのに対してオペラはクラシックのみを扱います。

オペラはクラシックのジャンルの一つなので、オペラ歌手をクラシック歌手ということもあります。

 

その他にもジャズやロックバンドのボーカル、アイドルなども大きなくくりでは歌手に含まれますね。このように一口に歌手といってもたくさんの種類があります。その歌手たちはどのような活動を行い、どのような収入源があるのかを以下で説明します。

 

収入源と年収

歌手の収入源は基本的に「印税」「ライブ収入」「テレビCMなどの出演料」の3種類に分けられます。それぞれ解説します。

印税

印税には著作権印税原盤印税があります。著作権印税は、テレビやラジオなどで楽曲が使用された際に著作者(作詞・作曲者)に支払われるお金です。原盤印税はCDの売り上げに応じて支払われるお金です。CDを出したレコード会社、CDショップ、アーティストなどに分配されますが、アーティストに分配されるのはごくわずかです。例えば一枚1000円のCD が売れたとして、アーティストに残るのは10~20円程です。バンドなどでメンバーが複数人いる場合はこの10円を更にメンバーで分けることになります。昭和・平成前期、歌手の最も大きな収入源はこれらの印税でした。それが平成後期になると、ウォークマンが普及しました。その後「Spotify」「Apple Music」といったサブスクリプションが普及した結果、CDが無くても簡単に音楽を聴くことができる時代になりました。現在では歌手の最も大きな収入源はライブ収入になりつつあります。

また、カラオケ印税と呼ばれる収入もあります。これはカラオケで曲が歌われる(再生される)たびに著作者に入るお金です。作詞作曲を行っているシンガーソングライターにとっては大きな収入源となります。

ライブ収入

上記で述べたように、CDの売り上げが低迷している現在ではライブ収入が最も大きな収入源となっている歌手は多いです。

ライブ収入とは、ライブのチケット代・グッズ収入などのライブで得る収入のことです。人気歌手になるほど、大きな会場を使い動員数が多くなるため、一度のライブ収入は大きくなります。

現在はcovid-19の影響で対面ライブの開催が難しくなり、YouTubeなどのプラットフォームを使用した「オンラインライブ」が行われるなど、ライブの多様化が進んでいます。

またクレジットカードを使ったネットショッピングでグッズを販売する歌手が増えており、ライブやイベントが無くてもグッズ収入を得ることができるようになっています。

出演料

人気の歌手になると、CMやテレビ、イベントや舞台などに出演した際のギャランティ―やスポンサー料が大きな収入源になります。また楽曲がドラマやテレビアニメの主題歌にタイアップされた場合は著作者に契約料が入ります。

 

以上を踏まえて歌手の年収ですが、個人によってばらつきが大きすぎるため、平均年収は調査できません。人気の歌手の場合は一度のライブツアーで一億円以上稼ぐこともあります。反対に新人など知名度のないアーティストは音楽活動の収入だけでは生活ができず、アルバイトや副業をして生計を立てている現状です。

なり方

ではそもそも歌手になるにはどうしたらよいのでしょうか。歌手になるひとつの方法として、音楽事務所やレコード会社と契約を結ぶことが挙げられます。そのためには音楽事務所のオーディションに参加して合格するか、スカウトされる必要があります。スカウトされるには歌手としての実績が必要になってきます。例えば、ライブパフォーマンスで話題を集めたり、「YouTube」や「TikTok」などのプラットフォームで注目を浴びたり、あるいは事務所に直接自分の音源を送って実力を認めてもらう等の方法があります。

近年は、歌や活動など自己を発信するための手段が多くあります。また音楽業界は新人が多く出てくる業界でもあるので、歌手になるためには自ら活発に動いていく必要があります。

クラシック歌手の場合には、クラシックを演奏する劇場や団体との契約を行うというのが主ななり方です。そうして経験を積んだ後にフリーランスとして活動するクラシック歌手が多いです。クラシックの中でもオペラの場合は、日本よりも海外で活躍する人が多いです。ドイツなど海外の音楽学校に入り、留学して本場のオペラに触れ、学ぶのです。

 

歌手などのアーティストを目指す人のための専門学校や養成スクールが日本には数多くあります。そういった施設は学費がかかるのはもちろんですが、歌手に必要な歌唱やその他音楽について多くを学ぶことができます。周りの友人たちと切磋琢磨しながら自分の視野を広げ、実力を伸ばすための場所になります。また、これらの施設は音楽事務所のオーディション紹介や、音楽関係の企業に就職するためのサポートをしてくれます。

活動内容

歌手の種類によっても異なりますが、基本的にはライブ活動、音源の収録、イベント出演、所属しているバンドや団体の練習、作詞作曲などが主な活動内容となります。

ただ、日々をライブや音源収録、作詞作曲などの音楽活動をメインに活動できるのは歌手としての収入で生活できるようになった人のみです。そうでない人たちは収入を得るためにアルバイトやその他の副業をしながら、音楽活動を行う生活になります。

歌手というのは華があって、自分の好きなことをシゴトにできる点でも普通の会社員では手に入れられないような大金を稼ぐことができるという点でも、夢のある職業です。ですが、活躍する歌手の裏にはたくさんの売れない歌手がおり、それぞれが売れるためにボイストレーニングや作詞作曲などの努力に励んでいます。歌手として活動していくための努力です。

引退後の歌手

歌手として活動を続けていくためにはある人気を得、その人気を保つ必要があるため、多くの歌手は生涯現役ではなくどこかのタイミングで引退することになります。それは一度ブレイクした歌手もそうでない歌手も同じです。

ブレイクした歌手や人気のあった歌手の場合は、タレントや俳優といった芸能活動者に転身するケースが多いです。歌手時代に築き上げた人気を活かして芸能活動を行うのです。近年だとバンド「MY FIRST STORY」のボーカル「Hiro」やシンガーソングライターの「川崎鷹也」などがテレビ番組に多く出演しています。

引退後にも芸能界に残って活躍できる歌手は全体のほんのひと握りです。多くの歌手は生活していくために就職をすることになります。再就職先としては自身がそれまで所属していた音楽事務所の社員や、ライブハウスのスタッフ、楽器店の社員など、音楽関係のシゴトに就く人が多いです。ですが、そういった音楽業界の就職の門は決して広いわけではありません。音楽業界に就職できなかった場合は一般企業に就職するわけですが、こちらも簡単な道ではありません。特に正社員の経験がない30代などは特に再就職は苦労すると思われます。情報を集めて転職サイトなどを上手に利用しましょう。

引退後の収入についてですが、歌手を引退しても「印税」は入ってきます。基本的に印税の収入は(引退後だとなおさら)人によって大きく異なります。年間で数千円の印税しか入らない人もいれば、印税だけで生活できるほど大きな収入を得ている人もいます。

最後に

歌手と言うのは非常に不安定な職業です。地道な努力や時の運によって成功すれば一般企業では考えられないほどのお金を稼ぐことができますが、多くの歌手はそうではありません。シゴトとしての音楽活動というのはシビアな世界です。だからこそ夢があり、多くの人が集まる業界になっています。

音楽は一般企業で働きながら趣味で続けることもできます。シゴトというのは人生において最も重要な要素のひとつですから、じっくり考えて検討しましょう。

参考にしたサイト

・HRtable

https://jinjijyuku.com/job-hunting-singer/

・UNIVERSAL MUSIC JAPAN

https://www.universal-music.co.jp/classics/classic-dept/cat/genre/

・narrow

https://narrow.jp/feature/293

・13歳のハローワーク

https://www.13hw.com/jobcontent/02_01_02.html

・Wellen

https://wellen.jp/compose/composition-income/

・MuzicViral

https://musicviral.jp/2017/10/02/sakkazimusyo/