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【運転手】タクシー運転手の年収や仕事内容を解説‐シゴトニンラボ

今回はタクシー運転手についてまとめていきたいと思います。特に小さい頃、タクシーや電車の運転士にあこがれた人は少なくないのではないでしょうか。タクシー運転手のなり方や種類、収入などについて、早速仕事内容から見ていきましょう。

仕事内容

タクシー運転手の最も大事な仕事は「お客さんを目的地まで安全に送りとどけること」です。お客さんの指示する道のりで目的地まで行くこともあれば、自分の判断で最短ルートを選択することもあります。

単に目的地まで運転していくのが運転手のシゴトではありません。時には会話でお客さんとコミュニケーションを取ることもシゴトのひとつとなります。話をしたいというお客さんもいれば、そうでないお客さんもいるので、その見極めが重要になります。自分がしゃべりたいからという理由だけでお客さんに話しかけるのは、迷惑になる可能性があるので基本的には控えるべきです。お客さんが不快な思いをしないよう気を遣い、スムーズな運転をすることが大事になります。

また、お客さんがいなければ運転手はシゴトをできないので、お客さんを探すことも大事になってきます。駅前やホテル前のタクシー乗り場に付けてお客さんを待つ方法がひとつです。サラリーマンが仕事を終えて帰宅する夕方以降になると、タクシーが列になっている駅は多いのではないでしょうか。そして走りながらお客さんを探す「流し営業」と呼ばれる方法もあります。都会では空車のタクシーが走っているのをよく見ますよね。また近年は、専用アプリを使った予約や会社から入った無線の指示で指定の場所に向かうという方法が増えています。

続いて、タクシー運転手の種類となり方について解説します。

タクシー運転手の種類

タクシー運転手は会社に所属する「法人タクシー」と「個人タクシー」に分けられます。

法人タクシー

タクシー運転手の9割がこの法人タクシーです。タクシー会社の所持しているタクシーを、会社の社員が運転しています。つまり法人タクシーの運転手は会社員ということになります。

個人タクシー

個人タクシーは個人で営業するので労働時間や休日などを自由に設定できます。個人タクシーを開業するには年齢によって異なる条件があります。35歳未満であれば10年以上法人タクシーの運転手を務め、その間無違反無事故であることが条件となります。35歳以上でも似たような条件があります。詳しくはこちらをご覧ください。

一般社団法人東京都個人タクシー協会

介護タクシー

介護を必要とする人を対象としたタクシーです。介護タクシー会社の法人タクシーもありますが、個人で介護タクシーを開業する人がほとんどです。普通のタクシーと変わらず、利用者を目的地まで送ることが仕事内容です。病院への通院や買い物などで利用されることが多いです。条件次第で保険が適用されるのが介護タクシーの特徴で、要介護者にとって欠かせないサービスとなっています。

タクシー運転手のなり方

タクシー運転手になるには、タクシー会社に就職して「普通自動車第二種運転免許」を取得する必要があります。第二種免許は、乗客を運ぶための運転をする際に必要な免許で、タクシー運転手には必須の資格です。多くの人が持っている車の運転免許は「普通自動車第一種運転免許」と言い、第二種免許とは異なります。

タクシー会社に入るためには学歴は必要ありません。しっかりと企業について調べ、対策をすれば採用試験を突破できるでしょう。この時、就職活動中に第二種免許を取得している必要はありません。ほとんどのタクシー会社が二種免許取得の費用を負担してくれます。ただ、二種免許取得のためには第一種免許が必要なので、一種免許の取得はタクシー会社を受ける上での最低条件と言うことができます。

「普通自動車第二種運転免許」の取得方法について簡単に説明します。

実は第二種免許は5種類あるのですが、タクシー運転手に必要なのは「普通二種」です。第二種免許の取得条件として「第一種免許を取得してから3年以上経過した者」というのがあります。それ以外の視力や聴力などの条件は第一種免許と同じです。教習所に通い、学科試験の対策をしっかりすれば免許取得は難しくありません。

流れとして以下のようになります。

 

高校卒業

(大学入学)

第一種運転免許取得

タクシー会社採用試験

採用

第二種運転免許取得(タイミングはいつでも可)

 

タクシー運転手は大卒者が多いですが、中卒・高卒でもなることができる職業です。学歴はまったく関係なく、第二種免許を取得していれば誰でもなることができます。

タクシー運転手の年収

厚生労働省の令和2年度賃金構造基本統計調査1によると、タクシー運転者の年収は、300万円ほどとなっています。とは言っても、地域によって差が大きいうえに、個人でも差があります。関東エリアに絞った場合、平均年収は約380万円ほどになります。

個人によって差があるのは、給料が「歩合制」だからです。歩合制とは、売上によって給与が支給される給与形態です。つまり、売り上げを上げるほど給料が上がるということです。反対に、売上が低いと給料も低くなってしまうということです。

完全歩合制とそうでない歩合制(固定給+歩合給)があり、タクシー会社はどちらもありますが、後者が多いです。固定給があり、それとは別に売り上げの歩合給がプラスされるという給与形態です。固定給があるので、完全歩合制と比べて比較的給料が安定します。

また、歩合率という概念があります。例えば、1か月で100万円売り上げた人がいるとします。歩合率が100%の場合は100万円が、歩合率20%の場合は20万円が給料となります。タクシー会社のほとんどは40〜60%の歩合率です。

給料の仕組みはさておき、平均年収380万円というのは民間企業の平均年収436万円2と比べると低い水準になっています。健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保険は充実していますが、年収で見ると低水準です。そのため個人で開業して高収入を目指す人も多いです。

男女比

タクシードライバーの女性の割合は、平成13年から25年にかけて2〜3%ほどが続いています。近年は女性の社会進出が進んでいますが、それでも令和3年現在で5%に満たないです。男性が非常に多い業界と言えます。

スケジュール例

11:00 出社

12:00 営業開始

16:00 休憩&軽食

17:00 営業再開

03:00 仮眠

05:00 営業再開

09:00 営業終了、営業所へ

10:00 帰宅

 

タクシー運転手は1回の勤務時間が非常に長い傾向にあります。このほぼ24時間勤務を月に12〜14回行います。

タクシーを置いてある営業所に出社し、ミーティングやアルコールチェック、車両の確認をします。確認が終わると営業へ向かいます。

営業中はそれぞれの経験を活かして利用者の多い場所に移動します。途中の休憩や仮眠は自由なので、自分でスケジュールを管理します。

サラリーマンの帰宅時間である17〜20時頃、終電がなくなり始める23〜1時頃が特に忙しい時間帯となっています。稼ぎ時ですね。

既定の時間になると営業所に戻り、再び車のチェックや次の日の予定の確認をして帰ります。

昼頃出社して次の日の昼頃に終わり、次の出勤はまた次の日になります。1日働いたら1日休み、また1日働くのを繰り返すようなスケジュールになります。

やりがい・魅力

運転が好きだという人はタクシーの運転業務を気持ちよく行うことができます。好きなことをシゴトにするというのは魅力的ですよね。また、給料が歩合制なのでやればやるほど給料が上がるというのはモチベーションにつながるでしょう。コミュニケーションスキルや運転スキルを伸ばして経験を積んでいくことで売り上げもアップするでしょう。

そしてタクシーの業務は人助けという一面があります。身の周りのタクシーだけでなく、たとえば観光地のタクシーが観光客を案内したり、介護タクシーの存在も全て人助けにつながっています。自分のシゴトに誇りを持っているタクシー運転手は多いです。

大変なこと・つらいこと

最初の頃は地域の道を覚えるのに苦労します。特に東京や大阪などの都市は道が複雑で利用客も多く、苦労が多いです。クレーマー気質の厄介なお客さんの対応やその他のトラブル対応も慣れるまでは大変でしょう。

一回の勤務時間が長く、不規則な生活から睡眠不足に悩まされる人も少なくないようです。収入が低いというのもあり、新入社員の3分の1もが辞めていくタクシー会社もあるようです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

参考にしたサイト

『キャリアガーデン』

https://careergarden.jp/shinbunkisha/

『職業情報提供サイト(日本版O-NET)』

https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/208

『国土交通省』

https://www.mlit.go.jp/common/001083859.pdf

 

  1. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html
  2. 令和元年 民間給与実態統計調査を参照https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf