省庁とは
省庁は国の行政機関のひとつです。日本では内閣のもとで「府」「省」「庁」「委員会」と分かれ、それぞれの業務を担当する体制がとられています。例えば財務省が財政を担当し、防衛省が自衛隊を管理するように、それぞれの省庁は国の行政に関わる仕事を分担しておこなっているのです。
ただ憲法上ではそれぞれの具体的な役割は規定されておらず、その時々の情勢に応じて、省庁の編成はしばしば変更されます。
近年では2001年に中央省庁の再編がおこなわれ、それまでの1府22省庁が1府12省庁(1府11省1庁)に大きく改編されています。2021年現在は、東日本大震災後に新設された復興庁を加え、日本の中央省庁は1府11省2庁です。
府や省は内閣の監督のもとで行政を行い、庁は府や省の担当する業務のなかでも、特に専門性の高い業務を行うために設置されています。
国土交通省の成り立ち
2001年(平成13年)1月6日、中央省庁再編に伴い、陸水空の運輸や鉄道・港湾・船舶・自動車交通・気象等を所管する運輸省、都市計画・道路・建築物・住宅・河川・官庁営繕など社会資本整備の建設事業を所管する建設省、北海道の総合開発事務を行う北海道開発庁、土地・水資源・離島振興・災害対策・大都市圏政策など総合的な国土行政に関する国土庁の4省庁を統合して誕生した。
国土交通省より引用
国土交通省の基本情報
組織
各省庁はそれぞれ本省の幹部、内部部局、各審議会と外局によって構成されています。審議会とは国や地方自治体の行政機関に付属し、意思決定に関わる機関で、委員会などがこれにあたります。
国土交通省は14の内部部局と4つの外局で構成されています。
職員数と男女比
一般職の在職者数は2020年7月時点で、国土交通省全体で56,029人(男性48,958人、女性9,071人)です。内訳は本省が37,986人(男性32,552人、女性5,434人)、外局の観光庁216人(男性162人、女性54人)、気象庁4,554人(男性4,065人、女性489人)、運輸安全委員会169人(男性148人、女性21人)、海上保安庁13,104人(男性12,031人、女性1,073人)となっています。全体の女性の割合は約18%ほどです。
国土交通省の役割
国土交通省は、国土の総合的かつ体系的な利用、開発および保全、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、気象業務の発展並びに海上の安全および治安の確保などを担う官庁です。
中央省庁等改革の一環として、2001年1月6日に、旧4省庁(北海道開発庁、国土庁、運輸及び建設省)を母体として設置されました。より良い行政サービスの提供を目指し、総合的な国土交通政策を展開していくこととしています。
国土交通省についてより引用
年収
国家公務員全体の平均月収は約42万円で、それに半年に一回のボーナスを加えた平均年収は約640万円となっています。国家公務員の収入は民間企業と比べると安定していて高いです。ただ年功序列のため、就職して数年の収入は意外に低いです。
また福利厚生や退職金が充実しており、非常に安定した収入を得ることができる職業です。
仕事内容と取り組み
国土交通省は、4つの省庁を統合してできた省なので、規模が大きく、様々な政策や事業に関わっています。14の組織があり、全体で5万6千人の職員が働いています。16の組織がそれぞれどのような取り組みを行っているのか、組織の説明とともに解説します。
大臣官房
人事課や広報課、総務課など10の部署があり、法令、人事、予算などの調整役や、国土交通省全般の業務運営などの中心的な役割を担います。
総合政策局
総務課や政策課、海外プロジェクト課など16の部署があり、国土交通省の総合的かつ基本的な方針の策定や、各局横断的な施策のとりまとめを担います。
国土政策局
広域地方政策課や地方振興課など7つの部署があり、国土の利用、開発及び推進を担っています。
不動産・建設経済局
土地政策課や不動産業課など11の部署があり、土地政策の推進、建設業や不動産業の育成・振興を担います。
都市局
都市政策課やまちづくり推進課など8つの部署があります。都市の再生、多様性のある個性的なまちづくりや地域づくりの推進を担っています。
水管理・国土保全局
治水課や防災課など9つの部署があり、災害の防止、防災対策、河川・ダム・海岸島の維持管理、水資源、下水道、砂防等の施策の推進を担います。
道路局
高速道路課や道路交通管理課など8つの部署があります。幹線道路網の構築、IT社会の基盤形成、都市の新生・再構築、交通連携の推進を担っています。
住宅局
住宅生産課や建築指導課など7つの部署があり、国民の住生活および建築物の質の向上、安全で快適な生活環境の確保を担います。
鉄道局
都市鉄道政策課や鉄道事業化など8つの部署があります。鉄道の高速化、都市鉄道の整備、利用者利便の向上・移動制約者の利用円滑化の推進を担っています。
自動車局
安全政策課や自動車情報化など9つの部署があります。安全と利便性の高い交通システム、自動車の環境及び安全対策の推進を担っています。
海事局
外・内航課や安全政策課など8つの部署があり、外航海運の強化、内航海運の活性化、造船業・舶用工業の発展、船員労働行政全般を担います。
港湾局
産業港湾課や海洋・環境課など8つの部署があり、港湾物流ネットワーク構築の推進、生活を支える港湾、ウォーターフロントの創造を担っています。
航空局
総務課、航空ネットワーク部、安全部、交通管制部の4つの部署からなっています。空港の整備、航空交通の安全確保および利用者利便の向上と航空運送事業の発展を担っています。
北海道局
治政課や水政課、農林水産課など7つの部署からなっています。日本の発展に貢献する北海道の総合開発計画の企画・立案および推進を担っています。
国土交通省で働くには
中央省庁で働くには、国家公務員試験に合格する必要があります。後で詳しく説明しますが、試験に合格したからといって必ず希望の省庁に入れるわけではありません。一般企業に採用されても希望の部署に入れるかどうかはわからないのと同じです。
国土交通省で働くには国家公務員試験を受けることからスタートします。試験には「総合職試験」、「一般職試験」、「専門職試験」があり、それぞれに年齢などの受験条件があります。またそれぞれ試験内容が異なっており、総合職試験は1次2次と2段階の試験があります。総合職試験と一般職試験は合格すると「採用候補者名簿(3年間有効)」に名前が載り、そこから各省庁が採用面接を行い内定者を決定します。この面接を「官庁訪問」といい、どこの省庁に採用され就職するのかは官庁訪問に合格して初めて決まります。官庁訪問に合格しなければ、たとえ筆記試験に合格しても国家公務員になれないということです。
一方専門職試験は官庁を限定している試験のことで、総合職試験、一般職試験と違って試験に合格すれば確実に希望の官庁で採用されます。ただ国土交通省に専門職試験での採用枠はありません。
国家公務員になるためには特別な資格や学歴は必要ありません。高卒者も受験できます。ただ試験の難易度から、実際に受けるのは難関大学の学生、院生がほとんどという現状です。
(高校)大学卒業 (高校)大学卒業
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総合(一般)職試験 専門職試験
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官庁訪問 そのままその官庁に採用
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採用
総合職試験と一般職試験の試験レベルに大差はありませんが、総合職のほうが思考力が求められる内容になっています。総合職試験に合格して採用されたものは次世代の中央省庁の幹部候補で、官僚と呼ばれることがあります。官僚に明確な定義はありません。国家公務員の中のエリートというイメージを持ってください。
参考にしたサイト
・キャリアガーデン
・パブリログ
https://www.homemate-research.com/
・国土交通省HP